片頭痛と月経周期の関係
2013.06.01.Sat.09:17
月経直前や排卵の近くに頭痛を訴える女性がいらっしゃいます。
女性の基礎となるホルモンは卵胞ホルモン(エストロゲン)で、このホルモンは排卵の3日前までは月経後に増加します。その後は排卵までは一旦減少し、排卵後にまた増加します。妊娠されなかった時は月経となり、卵胞ホルモンは減少していきます。この卵胞ホルモンの減少が頭痛と関係がある人がいるんです。ズキンズキンと頭の半分だけが周期的に脈打つ、と言われる方が多いように思います。また、普段はあまり気にならないような音や、やけに眩しいというような音刺激、光刺激を伴うことも多いようです。このような頭痛のことを片頭痛あるいは血管性頭痛と言っています。以前に書きました月経前緊張症は排卵後に分泌される黄体ホルモンによる「むくみ」が原因となっていることが多いですが、この片頭痛は卵胞ホルモンが原因です。毎月周期的にこの二つのホルモンは変動しているわけですから、女性は男性に比べて、毎月たいへんです。特に、この片頭痛は持続時間が比較的長くて、一般の頭痛薬がほとんど効きません。しかし、最近では持続時間の長いトリプタン製剤が開発され、効果も1日持続します。月経周期と関係のあるこのような頭痛をお持ちの方は一度婦人科を受診されることをお勧めします。
女性の基礎となるホルモンは卵胞ホルモン(エストロゲン)で、このホルモンは排卵の3日前までは月経後に増加します。その後は排卵までは一旦減少し、排卵後にまた増加します。妊娠されなかった時は月経となり、卵胞ホルモンは減少していきます。この卵胞ホルモンの減少が頭痛と関係がある人がいるんです。ズキンズキンと頭の半分だけが周期的に脈打つ、と言われる方が多いように思います。また、普段はあまり気にならないような音や、やけに眩しいというような音刺激、光刺激を伴うことも多いようです。このような頭痛のことを片頭痛あるいは血管性頭痛と言っています。以前に書きました月経前緊張症は排卵後に分泌される黄体ホルモンによる「むくみ」が原因となっていることが多いですが、この片頭痛は卵胞ホルモンが原因です。毎月周期的にこの二つのホルモンは変動しているわけですから、女性は男性に比べて、毎月たいへんです。特に、この片頭痛は持続時間が比較的長くて、一般の頭痛薬がほとんど効きません。しかし、最近では持続時間の長いトリプタン製剤が開発され、効果も1日持続します。月経周期と関係のあるこのような頭痛をお持ちの方は一度婦人科を受診されることをお勧めします。
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プラセンタが効果的であった“ばね指”の患者さん
2013.04.02.Tue.20:10
更年期障害と手・肩・膝などの関節痛を訴えて来院された患者さんですが、まず、漢方療法として当帰芍薬散を開始していました。更年期障害は漢方薬で改善傾向だったんですが、関節痛は一向に良くならないとのことで、補助療法としてプラセンタ注射を勧めてみました。プラセンタ2A筋肉注射を週に2回から始めて、2週間経過した段階で関節痛はほとんどなくなり、自転車にも乗れるようになりました。実はこの患者さん“ばね指”も患っておられ、整形外科で経過観察されていたようなんですが、プラセンタを打ち出してから“ばね指”の症状も徐々に良くなってこられ、たいへん喜んでおられました。この時点で私としてはプラセンタが果たして“ばね指”に効果があるのかはなはだ疑問でした。しかしいずれにせよ、症状がすべて軽快してきていましたのでプラセンタ2Aの注射回数を週1回に減らし、その後は保険でプラセンタ1A/日で週2回にしてみました所、関節痛は悪化しませんでしたが“ばね指”はほとんど元の状態に戻ってしまいました。
「“ばね指”にもプラセンタが効いていたんだ」と、実感しました。
以前からプラセンタの濃度が治療と相関すると聞いていましたが、この症例でみるとやはり、1回の投与量がある程度多い方が効果が強い薬といってよいと思います。費用的な問題がある為、できるだけ保険医療に戻していってあげたいのですが、一旦良くなった状態を経験されるとソフトランディングに持っていくのは少し、時間がかかりそうです。
また、プラセンタ治療に関して、報告していきたいと思います。
「“ばね指”にもプラセンタが効いていたんだ」と、実感しました。
以前からプラセンタの濃度が治療と相関すると聞いていましたが、この症例でみるとやはり、1回の投与量がある程度多い方が効果が強い薬といってよいと思います。費用的な問題がある為、できるだけ保険医療に戻していってあげたいのですが、一旦良くなった状態を経験されるとソフトランディングに持っていくのは少し、時間がかかりそうです。
また、プラセンタ治療に関して、報告していきたいと思います。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療に関しての考案
2013.03.01.Fri.12:11
PCOSでは、下垂体から分泌される、排卵を促すLH(黄体化ホルモン)量が、同じように下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)量より多いため、排卵がうまくいかなくなっている状態になっています。その為、排卵させようとして、ますますLH量が増えてしまい、悪循環に陥っていきます。
不妊症の患者さんの場合には排卵誘発剤による治療や腹腔鏡で卵巣の厚くなった白膜の下にある多数の卵胞をドリルで穴あけするみたいに潰していく手術をすることによる排卵をし易い状態にする方法が一般的治療法です。
問題は無月経で来院した結婚前の患者さんです。教科書的にはゲスターゲン療法といって黄体ホルモンを投与して、生理を作ってあげればいいなんて書いてあるのがほとんどです。確かに、実際には2ヶ月位生理が来ないといって来院される方が多いんですが、その間も卵巣は知らないうちにどんどん病的になっているわけです。どうしたら病気の進行を抑えてあげられるでしょうか?
以前にPCOSで排卵誘発してあげないと排卵せず、排卵誘発剤を使うと卵巣が手の拳大に大きくなってしまう患者さんがいましたが、幸いうまく妊娠され、子供さんに恵まれました。その患者さんは授乳が終わった後に自然に生理が回復して、十数年経過した現在は超音波的には全くPCOSの所見がありません。この方の場合は妊娠という長期間排卵がない状態が持続したことが功を奏したと思われる症例です。また、今見ている患者さんで無月経ではないのですが、画像上両側卵巣は多嚢胞でLHRHテストLH過剰反応を示し、典型的なPCOSの方がいます。この患者さんは月経前緊張症(PMS)、月経前不機嫌性障害(PMDD)と月経困難症を合併されていたため、3か月前から低用量ピルを投与して、治療していますが、卵巣の状態は悪化することはなく、むしろ、卵胞数が減少してきています。
この症例も排卵を起こさせないようにしていることが病気の進行を遅らせているように思います。
私としてはPCOSの治療として、積極的に低用量ピルを使用して、卵巣の状態を悪化させないようにすることが、将来の妊娠のためには重要だと思っています。
不妊症の患者さんの場合には排卵誘発剤による治療や腹腔鏡で卵巣の厚くなった白膜の下にある多数の卵胞をドリルで穴あけするみたいに潰していく手術をすることによる排卵をし易い状態にする方法が一般的治療法です。
問題は無月経で来院した結婚前の患者さんです。教科書的にはゲスターゲン療法といって黄体ホルモンを投与して、生理を作ってあげればいいなんて書いてあるのがほとんどです。確かに、実際には2ヶ月位生理が来ないといって来院される方が多いんですが、その間も卵巣は知らないうちにどんどん病的になっているわけです。どうしたら病気の進行を抑えてあげられるでしょうか?
以前にPCOSで排卵誘発してあげないと排卵せず、排卵誘発剤を使うと卵巣が手の拳大に大きくなってしまう患者さんがいましたが、幸いうまく妊娠され、子供さんに恵まれました。その患者さんは授乳が終わった後に自然に生理が回復して、十数年経過した現在は超音波的には全くPCOSの所見がありません。この方の場合は妊娠という長期間排卵がない状態が持続したことが功を奏したと思われる症例です。また、今見ている患者さんで無月経ではないのですが、画像上両側卵巣は多嚢胞でLHRHテストLH過剰反応を示し、典型的なPCOSの方がいます。この患者さんは月経前緊張症(PMS)、月経前不機嫌性障害(PMDD)と月経困難症を合併されていたため、3か月前から低用量ピルを投与して、治療していますが、卵巣の状態は悪化することはなく、むしろ、卵胞数が減少してきています。
この症例も排卵を起こさせないようにしていることが病気の進行を遅らせているように思います。
私としてはPCOSの治療として、積極的に低用量ピルを使用して、卵巣の状態を悪化させないようにすることが、将来の妊娠のためには重要だと思っています。
多嚢胞性卵巣症候群と潜在性高プロラクチン血症
2013.02.19.Tue.18:19
最近、不妊症や月経不順の患者さんの中に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と潜在性高プロラクチン血症の患者さんが多くなったように思います。それも異常に!私が医者になった頃にもPCOSの患者はいたんだけどスタインーレベンタル症候群といって、どちらかというと肥満傾向があり、毛深く、声が嗄れていたりして、稀な疾患の一つだったんです。最近は経腟超音波検査が容易に出来るようになったため、卵巣の観測が簡単に出来ます。それでなのかもしれませんが、やたらとPCOSの卵巣を認めます。このような場合には不妊症の方などはLH-RH負荷テストをするんですが、基礎値としてのLHが高いばかりでなく、負荷後にLH過剰反応をほとんどの場合認めます。しかし、通常男性ホルモン値が高いといわれるんですが、最近のこのような患者さんはむしろ、痩せていて、男子ホルモンはほとんど正常範囲のことが多いように思います。LH-RH負荷テスト施行時にTRHテストという潜在性高プロラクチン血症の検査をすることが多いんですが、通常、30以下は正常範囲とされているプロラクチン(PRL)ですけれど、PRLは日内変動があり、特に夜間に高いという特徴があります。15以上の方は夜間に30以上になっている可能性が高いため、TRH負荷テストをしているんですが、負荷後に70以上になる方が多いですね。また、PCOSと潜在性プロラクチン血症の合併も多々認めます。30年前に比べ、ストレスが社会的に多くなったためでしょうか?それとも、環境ホルモンやダイオキシン等の食べ物の摂取が影響しているんでしょうか?いずれにしても、月経が不順な方は一度婦人科検診を受けてください。できれば、基礎体温等もつけて来院してみてください。
乳癌に関して
2013.01.28.Mon.18:42
レディースクリニックなので乳癌検査もしなければいけないんですが、マンモグラフィーや乳癌検診専用の超音波プローブが無いため、今の所、クリニックでは基本的に乳癌検診の患者様はお断りしていました。ところが、受付から、乳癌検診の患者様へ断りする事務の説明が聞こえてきた際に、「痛みがあるんです」という患者様の話が耳に入ってきたんです。これはまずいなと思い、直ぐに診察室に入ってもらってお話を聞いたんですが、胸にしこりを感じ始めたのが10か月前で6か月前からは痛みも出現していたとのことでした。触診だけでもと診させてもらいましたが、視診で明らかな乳癌で腋窩リンパ節の腫大も触知しました。ただちに近くの総合病院へ紹介させてもらいました。年齢的にはわかく、30代前半の方でした。仕事が忙しく、また、相談する方もあまりいらっしゃらなかったみたいです。乳癌はその発生頻度は全女性の20人から40人に一人ともいわれるくらい高い疾患です。自己検診でしこりのようなものがふれた場合や乳頭からの分泌物を認めた時は乳腺外来のある病院で直ぐ診てもらうようにしましょう!決して恥ずかしいからとかで受診を遅らせないようにしましょう。